- 超短波(=マイクロ波)
- ラジオ波(=RF波=サブマイクロ波=高周波)
- 超音波とキャビテーション
- EMS(干渉波も含む)
- マイクロカレント波
- エレクトロポーション(=ポレーション=ノーニードル=インサートパルス)
- イオン導入・著音波導入・エレクトロポーションの違い
- LEDとLD
- ハイフルクレンシー
- 変動磁場
超短波(=マイクロ波)
それではエステサロンで使う機器について解説していきましょう。まず、キャビテーションが出す「超短波」は、30MHz~300MHzの周波数を出す、ごく波長の短い電波で、毎秒2,700万回も振動します。
このことから、超短波は体表面で吸収されることなく、体の深いところまで到達することができます。
この超短波は体内の脂肪層や組織を透過する際、超短波が振動することにより細胞分子が回転を起こし、摩擦することで熱を発生させます。
余談ですが、皆さんが普段よく使っている電子レンジは、このマイクロ波の原理を利用したものです。
超短波は脂肪や筋肉を通過して、体の深部などに直接作用することができます。そのため、脂肪細胞が潜んでいるような体の深部に到達することができ、温熱効果を発揮する原理となっており、物理療法なら、唯一無二で超短波しか存在しません。
特に、筋肉が老化などで筋肉が固くなったケース、筋肉内の奥深くに存在する脂肪の溶解に効果があります。
ラジオ波(=RT波=サブマイクロ波=高周波)
ラジオ波は、その名称だけは聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?ラジオ波は、300KHz~300MHzの周波数が非常に高い電波で、身体にあてると体の中の水分の振動で熱を作りだすことができます。
このラジオ波が生み出す振動で脂肪が溶けるため、新陳代謝が活発になるしくみになっています。ラジオ波は「痩せる」と思われがちですが、身体の深層部を「温める」と言ったほうがいいです。なお、ラジオ波は、この原理で中性脂肪を液状化し、セルライトを分解するといった力も持っています。
最近の痩身機器では、このラジオ波とキャビテーションを組合わて使用しているケースが多いことはご存じの方も多いかも知れません。キャビテーションについては次の項目で説明しますが、その性質の違いは
『脂肪分解が得意なのがキャビテーション。体温を押し上げ、代謝をアップさせるのがラジオ波。』 ということができます。
ラジオ波は主に細胞を分解するというよりも、細胞を温めるのが得意で、キャビテーションを行う前にラジオ波を当てて脂肪を温めて柔らかくしてからキャビテーションを行うケースがほとんどです。
また、その逆もしかりで、脂肪を温めて溶かすことができる排出はできないキャビテーションをまず当ててから、脂肪をなくすのは難しいけれど老廃物を排出させるのが得意なラジオ波で脂肪を溶かして排出させる方法もあります。
このように、ラジオ波の中でも、その様式によってモノポーラー(ユニポーラー)式、バイポーラ―式、マルチポーラー式とありますが、効果にはそれ程違いはありません。
モノポーラー(ユニポーラー)式
モノポーラー式は、1個の電極から体の奥に向けてラジオ波が出すラジオ波です。しかし、電極が1個しかなくてはラジオ波が身体の中に進むことができないので対極板と言う板を体に装着します。
バイポーラー式
バイポーラー式ラジオ波には、電極が2個あり、その間をラジオ波が流れます。これは身体の浅い所メインで効果があります。
マルチポーラー式
マルチポーラー式とは、3個以上の電極を持っており、その間なら色々な方向にラジオ波が流れます。電極間の距離によって、浅い所と深い所の両方に効果を発揮します。
超音波とキャビテーション
従来のエステ用超音波機器に多く見られるのは、周波数が1~3MHzの音波を利用したものです。
この様に高周波のラジオ波は筋肉の内部など深い部分ではなく、主に表皮組織の層に働きかけるため、フェイシャルスキンケアなどで使用されています。肌には次のような3つの効果があります。
クレンジング効果
超音波美顔器には古い歴史がありますが、高いクレンジング効果をもたらすということはあまり知られていません。1秒間に何万回もの高速で微動な振動を起こすため、肌に残留している古い角質や角栓などの汚れをまず浮き上がらせ、そして取り除きます。こうして肌を清潔にしておいて、次に美容成分を受け入れやすくします。
マッサージ効果
超音波美顔器の振動は、肌のひとつひとつの細胞にまで届きやすいという特徴があります。また1秒間に何万という超高速な振動は肌にマッサージ効果を与えます。このように、体内の余分な脂肪や筋肉へもマッサージ効果が伝わるため、脂肪の燃焼の促進や筋肉の引き締め効果をもたらすことが出来ると言われているのです。
温熱効果
1秒間に何万回という振動は、肌の深部にまで届き、肌の内側では摩擦が起きます。そして熱を生じるため、肌の温度がわずかながらも上昇し代謝の上昇が起こります。血行も良くなって、体内に滞っていたリンパ液の流れも促進されるので老廃物の排出もスムーズになります。
高周波の従来の機器に対し、近年は18〜40KHzの低周波の音波を使用した機器が登場してきました。これは従来のものより更に深い脂肪層に到達することができるのです。
音の場合、周波数が高いと肌表面に効果を発揮するのですが、周波数が低いと、皮膚の奥まで到達することができます。このため、そのためダイエットなど身体の深層に関係する部分のケアに使われており、この機器のことを一般的にキャビテーションと呼びます。
このような細かく振動する超音波を施術箇所にあてると、1秒間に28,000〜40,000回の振動を生み出します。これによって脂肪細胞とその間質液に気泡が発生するメカニズムになっており、やがて脂肪は消滅します。
このようなすごい速さの気泡の発生と消滅の繰り返しで、泡と泡の間に圧力差が生まれるため、CV超音波(空洞現象)が引き起こされます。
この圧力に耐えきれなくなった泡が破裂、または組織の揺らぎを生じ、これによって効率よく脂肪が燃焼されます。
たとえ肥大化して、固くなってしまった脂肪やセルライトでも、脂肪が柔らかくなるため、排出が促進されほぐれやすくなります。
余談ですが、街中でよく見かけるメガネの超音波洗浄もこの泡の破裂の衝撃波を利用して汚れをとるメカニズムになっています。
エステサロンや美容クリニックで使われるキャビテーションは、気になる部分の集中ケア、いわゆる「部分痩せ」に最適です。
※キャビテーションで注意したいのはキャビテーションそのもので脂肪を燃焼させてカロリー消費をしているわけでは無いという点です。
キャビテーションで排出された脂肪は血液中に溶けだしますが、ほんとうの「痩身」とは、代謝によって消費されたり、排出されたりしてはじめて効果が出るものです。
ようするに、施術後に自分でマッサージなどをすることや、ラジオ波などのトリートメントを組み合わせることによってより高い効果が期待できると言えます。
セルライトとは?
脂肪細胞は、脂肪を蓄積して必要に応じて分解を起こし、体のエネルギーを作り出します。いわばエネルギー源なのですから、まったくないと困ってしまいます。
しかし、蓄積と分解のバランスが崩れて分解の働きが弱まってしまうと脂肪細胞は分解されずに肥大化し、水分や老廃物を溜め込みます。この状態が「セルライト」です。セルライトはお尻や太ももなどの脂肪の多い部位につきやすく、皮膚のビジュアルがデコボコしていることから英語では「オレンジピールスキン」とも呼ばれています。
セルライトは成人した中年女性などに多くみられ、一度できてしまうと血行が悪くなるため自然に分解することは難しく、だんだんと痩せにくい体質になってしまいます。
また、セルライトは水分や老廃物も含んでいるため、むくみや冷え性の原因となるので、健康被害を起こすこともあるため注意が必要です。
セルライトを柔らかくする
頑固なセルライトを柔らかくするのもエステサロンの機器では簡単です。まず超音波により高速の振動を何度も与えることにより、セルライト(脂肪のかたまり)の細胞の動きは遅くなります。また、冷たくなって凝り固まっていた脂肪は柔らかくなり、柔らかくなった脂肪は液状化し、体外に排出されるというしくみになっています。このため、痩せたように感じるのです。
ガスや水分が有利子体外へ排出される
脂肪と脂肪の隙間にあったガスや水分が遊離することも、痩せたように感じます。
まず体内にあるガスや水分は、リンパや血管の中に吸収され、やがて、体外へと排出されますが、ガスや水分が排出されればされるほど、脂肪層は引き締まることになります。
キャビテーションはこのガスや体内の水分を排出させるお手伝いをも行います。
液状化した脂肪は高周波で消費を促進する
では、液状化した脂肪はどうなるでしょうか?
リンパや血管に吸収され、運動時のエネルギー源となりやがて消費されます。このとき、消費しきれなかった脂肪は身体にそのまま残ってしまいます。
そのため、キャビテーションのような機器で高周波をかけ、身体の代謝を促進させることにより、液状化した脂肪をより消費しやすくすることが可能なのです。